日々、仕事をしていてとても気になることがあります。
電話で話をしているときに、「とんでもございません。」と平気で何度も言う人がいます。
何がおかしいのか、お気付きですか?
「とんでもない」はもともと一つの形容詞なのです。
つまり、「申し訳ない」「もったいない」と同様
それで一つの言葉なのです。
これらは「○○ない」という形ですが、けして○○の部分を否定する
「ない」が付いているわけではないのです。
言い換えるなら、「とんでもある」とか「申し訳ある」、「もったいある」とか
そういう表現はしないですよね。
否定の「ない」の丁寧語は「ございません」でも正しいのですが、
もともと一つの形容詞であるこれらは「ございません」ではおかしいのです。
したがって、「申し訳ございません」も「もったいございません」(聞いたことがないが)も
正しくはないのです。
では、これらを丁寧に表現するならどうすればよいのでしょうか。
それには「○○です(ございます)」を使えばよいのです。
とんでもない →とんでもないことです(ございます)。
とんでものうございます。
申し訳ない →申し訳ないことです(ございます)。
申し訳のうございます。
もったいない →もったいないことです(ございます)。
もったいのうございます。
のように表現すればよいのですね。
私自身、決して年寄りではない(まだ30代)のですが、昨今の乱れた日本語が気になります。
人が「いる」の表現もそうです。
謙譲語と尊敬語がまぜこぜになっている人がほとんどですね。
丁寧語 →いらっしゃる
謙譲語 →おる
お客さんからの電話で「○○さんはおられますか?」
って、そもそも自分側がへりくだる謙譲語に尊敬のられるをつけて何が何だか…
間違った日本語が当たり前のようになっていく世の中。
私個人の意見としては、変わっていく部分、変わらない部分がありますが、
せっかくの美しい表現を残していってほしいと思います。